屋根カバー工法の費用は?塗装・葺き替えとの比較と選び方、カバー工法ができない屋根と2004年以前のスレート(アスベスト)の事前調査

屋根の工事は「塗装」「カバー工法(重ね葺き)」「葺き替え」の3つで、費用は足場代込みの目安でLIFULL HOME’Sが30坪の家で塗装約40万〜80万円、カバー工法約80万〜150万円、葺き替え約110万〜220万円※1、SUUMOが延床120㎡の木造2階建てで塗装約60万〜70万円、カバー工法約120万〜220万円、葺き替え約150万〜300万円としています※2。選び方の分かれ目は3つ。①カバー工法は既存の屋根材が平らなスレートや金属で、下地(野地板)が傷んでいないことが条件。瓦屋根にはできません※3※2。②雨漏りしている・下地が腐っている場合は葺き替えです。ケイミューは「雨漏りは再塗装では直りません」としています※4。③化粧スレートは1961〜2004年の製造品に石綿(アスベスト)を含むものがあり※5、塗装・カバー工法・葺き替えのどれでも工事前に有資格者による石綿の事前調査が必要です※6※7。見積に調査費が入っているかを確認してください。
目次
契約の前に、条件を満たす見積もりを2〜3社から取るのが基本です。利用は無料で、契約の義務はありません(公式サイトの表示)。
屋根の工事は3つ:塗装・カバー工法・葺き替えの違い
屋根のリフォームは、既存の屋根をどこまで残すかで3つに分かれます。ケイミューは、カバー工法(重ね葺き)を「既存の屋根の上に、新しい屋根材を重ねる工法」、葺き替えを「今ある屋根材を撤去し、屋根の下に敷かれている防水シートも一緒に交換します」と説明しています※3。塗装は屋根材の表面を塗り直すだけなので、屋根材そのものと下地は古いまま残ります。
| 工法 | 何を新しくするか | 向いている状態 | 工期の目安 |
|---|---|---|---|
| 塗装(塗り替え) | 屋根材の表面の塗膜 | 色あせ・チョーキングなど初期の劣化 | 約1〜2週間(HOME’S)/約2週間(ケイミュー) |
| カバー工法(重ね葺き) | 防水シートと屋根材を既存の上に追加 | 屋根材は傷んでいるが、下地(野地板など)には腐食がない | 約1〜2週間(HOME’S)/1週間〜10日程度(SUUMO) |
| 葺き替え | 屋根材・防水シート、必要に応じて野地板まで | 雨漏りがある、屋根下地まで腐食している | 約1〜3週間(HOME’S)/下地交換で2〜3週間程度(SUUMO) |
表はLIFULL HOME’S※1、SUUMO※2、ケイミュー※3の公開情報から作りました。HOME’Sは選び方の目安として、築10年前後で色あせ・チョーキング・軽いコケなら塗装、築20年前後で屋根材のひび割れ・欠け・浮きならカバー工法、築30年以上で雨漏り・下地のブカブカ感・屋根材の大規模な剥がれがあれば葺き替えが必須、と整理しています※1。築年数はあくまで目安で、決め手は下地の状態です。
出典:※1 LIFULL HOME'S「屋根リフォームの種類3つを比較!塗装・カバー工法・葺き替えの費用と選び方」、※2 SUUMO リフォームタイムズ(株式会社リクルート)「屋根リフォームの費用相場。改修方法は、塗り替え、重ね葺き(カバー工法)、葺き替えの3種類」、※3 ケイミュー株式会社「屋根リフォームについて工法別の特徴をご紹介」
屋根カバー工法・葺き替え・塗装の費用の目安
| 工法 | LIFULL HOME’S(2026年9月更新) | SUUMO(2026年2月更新) | SUUMO相場ページ(2022年10月更新) |
|---|---|---|---|
| 塗装 | 約40万〜80万円 | 約60万〜70万円 | 約50万〜60万円 |
| カバー工法 | 約80万〜150万円 | 約120万〜220万円 | 約100万〜200万円 |
| 葺き替え | 約110万〜220万円 | 約150万〜300万円 | 約150万〜300万円 |
| 前提 | 30坪の戸建て(屋根面積約60〜70㎡)、足場代込み | 延床120㎡程度の木造総2階建て、足場代込み | 延床120㎡程度の一戸建て、足場工事代込み |
出典はLIFULL HOME’S※1、SUUMOリフォームタイムズ※2、SUUMOの相場ページ※8です。SUUMOのカバー工法の金額は「古くなった化粧スレートの上にガリバリウム鋼板を重ねて施工する」場合で、「アスファルトルーフィング(防水シート)の施工、軒先水切りや換気棟、コーキングなどの必要な工事を一切含むことを想定」した数字です。葺き替えは「瓦屋根から鋼板屋根材への交換」を想定し、「葺き替え費用は重ね葺き(カバー工法)の1.3倍から1.5倍程度かかります」としています※2。なお、SUUMOの相場ページは2019年4月の実施者調査をもとにした数字です※8。
足場代を除いた屋根工事だけの目安もあります。SUUMOのスレート屋根の記事は、屋根100㎡で塗装「30万円程度~」、ガルバリウム鋼板でのカバー工法「100万円程度~」、葺き替え「150万円程度~」で、いずれも足場代は別途、足場代は「20万〜25万円程度」としています※9。
実例も公開されています。SUUMOの事例では、築30年の化粧スレート屋根をガルバリウム鋼板で重ね葺き(1階の下屋は一部塗装)して約205万円(足場工事費含む、工期約3週間)、築38年で雨漏りしたセメント瓦をガルバリウム鋼板に葺き替えて約145万円(工期11日)、築40年のトタン屋根の葺き替えで約115万円(工期7日)です※2。カバー工法より安い葺き替えの事例もあるとおり、金額は屋根の面積・形・屋根材のグレードで大きく動きます。塗装だけの費用と塗料ごとの単価は屋根塗装の費用にまとめています。
出典:※1 LIFULL HOME'S「屋根リフォームの種類3つを比較!塗装・カバー工法・葺き替えの費用と選び方」、※2 SUUMO リフォームタイムズ(株式会社リクルート)「屋根リフォームの費用相場。改修方法は、塗り替え、重ね葺き(カバー工法)、葺き替えの3種類」、※8 SUUMO(株式会社リクルート)「外壁外装・屋根のリフォーム費用・価格相場情報」、※9 SUUMO リフォームタイムズ(株式会社リクルート)「スレート屋根の特徴とリフォーム費用。寿命やメンテナンス方法、ガルバリウム鋼板との違いも解説」
カバー工法の見積で確かめること
カバー工法の見積は、屋根材の名前と総額だけでは比べられません。住まいるダイヤル(住宅リフォーム・紛争処理支援センター)には、「既存屋根材の上に金属屋根材(ガルバリウム鋼板)をカバー工法により施工、外壁の塗装」の見積が400万円・310万円・200万円と分かれた相談事例が載っています※10。助言の要点は次のとおりです。
- 鋼板のグレード:「屋根材のガルバリウム鋼板には様々なグレードの商品があり、価格に幅がある。見積書に計上されている商品が、相談者の希望するグレードの商品であるか確認すること」
- 役物(やくもの):棟・軒先・ケラバなどの部材。相談者は30万円以上の役物を過剰請求と疑ったが、「金属屋根などの施工において必要な部材」と説明されています
- 数量と一式表記:安い社は屋根工事が約84万円で、もう一社の219万円より100万円以上安かったものの「詳しい項目の記載がないため、合理的な理由が不明」。「屋根工事は一式表記となっており、積算根拠や工事内容等について、事業者に確認が必要」
- 支払条件:「着工までに2/3の支払い」になっていた見積に対し、出来高に応じた支払いにするよう申し入れることを助言
SUUMOも「工事項目もなく、『屋根塗装一式いくら』の見積もりは信用できません。工事名称が書かれていても工事する面積や単価が書かれていないものもだめです」としています※2。カバー工法なら、①新しい屋根材の商品名とグレード、②防水シート(ルーフィング)の種類と面積、③棟・軒先・ケラバなどの役物、④換気棟の有無、⑤屋根面積(㎡)、⑥足場、⑦石綿の事前調査費、が行ごとに書かれているかを見てください。
出典:※2 SUUMO リフォームタイムズ(株式会社リクルート)「屋根リフォームの費用相場。改修方法は、塗り替え、重ね葺き(カバー工法)、葺き替えの3種類」、※10 住宅リフォーム・紛争処理支援センター(住まいるダイヤル)「リフォーム見積チェック事例「屋根・外壁リフォームの見積りをとったが、100万円ずつ金額が違うケース」」
屋根カバー工法のデメリットと、できない条件
カバー工法は撤去・処分がない分だけ安く早い工法ですが、メーカーと大手ポータルはいくつかの条件と弱点を挙げています。
| 条件・弱点 | 出典の記述 |
|---|---|
| 瓦屋根にはできない | SUUMO「陶器瓦やセメント瓦のように波打っている形状だと重ね葺きはできません」。ケイミュー「現在の屋根材がスレートのような平板であれば施工可能です。また、瓦屋根には不向きな工法です」 |
| 下地が傷んでいるとできない | ケイミュー「下地までは傷んでいない場合におすすめです」。SUUMO「下地に問題があるようなら重ね葺きは避けましょう」「劣化が甚だしいと単にそれを覆い隠すだけとなり、雨漏りなどでかえって家の耐久性を損なうことになりかねません」 |
| 屋根が重くなる | ケイミュー「屋根部分の重さが増える分、耐震性に悪影響が出る可能性があります」。SUUMO「重ね葺きする屋根材は、ガルバリウム鋼板のように軽量なものを選ぶのが一般的です」 |
| 既存の下地は新しくならない | SUUMO(スレート屋根の記事)「屋根材の下にある野地板や防水シートなどを新しくすることはできません」。ケイミュー「カバー工法で防水性は改善できません」 |
| 既存屋根材の水分を閉じ込めることがある | SUUMO「既存の屋根材に含まれる水分を閉じこめてしまい、耐久性を損なうことがあります」 |
| 既存のスレートがボロボロだと施工しにくい | SUUMO取材先「釘を打つことで、既存の屋根材が割れて落下してしまうということもあるので、既存のスレート屋根がボロボロの状態であるのなら、葺き替えを選択する方が安心です」 |
出典はSUUMO※2※8※9とケイミュー※3です。防水性について、SUUMOは「重ね葺きの際に防水シートも新しく施工し直すので、防水効果のアップも期待できます」としており※2、ケイミューの「防水性は改善できません」と表現が分かれます。新しい防水シートは既存の屋根の上に敷くもので、その下の野地板や古い防水シートは直らない、と理解しておくのが安全です。
重さについては、HOME’Sが「日本瓦の重さが1㎡あたり約50kgであるのに対し、金属屋根は約5kgと10分の1程度」としています※1。ただ、カバー工法はスレートの重さに金属屋根の重さが加わる工事です。ケイミューは、1981年(昭和56年)5月以前に建てられた建物は「耐震性が劣る場合があります」としているので※11、旧耐震の家では重量の増え方を見積の段階で質問してください。外壁のカバー工法の考え方は外壁のカバー工法と共通する部分が多くあります。
出典:※1 LIFULL HOME'S「屋根リフォームの種類3つを比較!塗装・カバー工法・葺き替えの費用と選び方」、※2 SUUMO リフォームタイムズ(株式会社リクルート)「屋根リフォームの費用相場。改修方法は、塗り替え、重ね葺き(カバー工法)、葺き替えの3種類」、※3 ケイミュー株式会社「屋根リフォームについて工法別の特徴をご紹介」、※8 SUUMO(株式会社リクルート)「外壁外装・屋根のリフォーム費用・価格相場情報」、※9 SUUMO リフォームタイムズ(株式会社リクルート)「スレート屋根の特徴とリフォーム費用。寿命やメンテナンス方法、ガルバリウム鋼板との違いも解説」、※11 ケイミュー株式会社「外装リフォームで知っていると得する情報」
葺き替えを選ぶケースと費用
葺き替えは、雨漏りがある、野地板が傷んでいる、瓦屋根を軽くしたい、という場合の選択肢です。HOME’Sは「雨漏りが発生している、または屋根下地まで腐食している」状態を葺き替えに当て※1、SUUMOは「葺き替えであれば、下地の点検や補修が可能です」としています※9。ケイミューも「既存の屋根材より軽い屋根材にすることで耐震性能を上げることも可能です」と、軽量化を利点に挙げています※3。
葺き替えの費用はカバー工法より高く、理由は撤去と処分です。ケイミューは「元々あった屋根の解体・処分も行うので、施工費用が高額になり、工期がやや長くなります」※3、SUUMOは費用が高くなるのは「既存屋根材の撤去や下地、小屋組みまで影響し、工事の工程が増えることによります」としています※2。石綿を含むスレートの葺き替えでは処分費がさらに上がり、SUUMOの取材先は「既存の化粧スレートの処分費用だけで、30万円〜40万円必要になることもあります」と話しています※9。
出典:※1 LIFULL HOME'S「屋根リフォームの種類3つを比較!塗装・カバー工法・葺き替えの費用と選び方」、※2 SUUMO リフォームタイムズ(株式会社リクルート)「屋根リフォームの費用相場。改修方法は、塗り替え、重ね葺き(カバー工法)、葺き替えの3種類」、※3 ケイミュー株式会社「屋根リフォームについて工法別の特徴をご紹介」、※9 SUUMO リフォームタイムズ(株式会社リクルート)「スレート屋根の特徴とリフォーム費用。寿命やメンテナンス方法、ガルバリウム鋼板との違いも解説」
2004年以前のスレート屋根とアスベスト:工事前の事前調査
国土交通省の「目で見るアスベスト建材(第2版)」は、石綿含有住宅屋根用化粧スレートの製造時期を「1961~2004」とし、「セメントに補強材として石綿を混入し、平板状等に成形した屋根材」と説明しています※5。厚生労働省の法規の変遷では、2004年に「石綿含有建材、摩擦材、接着剤等10品目が製造等禁止」、2006年9月1日に「石綿0.1重量%超の製品の全面禁止」です※12。HOME’Sも「2004年以前に建てられた家のスレート屋根にはアスベスト(石綿)が含まれていることが多く」としています※1。一方でSUUMOの記事は、屋根に葺かれているだけなら「板状の化粧スレートに含まれるアスベストが飛散する可能性は低い」としています※9。問題になるのは、工事で割ったり削ったりするときです。
工事前の調査は法律上の義務です。環境省は「建築物又は工作物の解体等の作業を行うときは、あらかじめ石綿(アスベスト)の使用の有無を調査(事前調査)する必要があります」とし、「令和5年10月1日からは、建築物(建築設備を含む)の解体・改修工事を行う際は、有資格者(建築物石綿含有建材調査者等)による事前調査の実施が義務付けられます」としています※6。発注者向けのチラシでは、対象は「原則として、すべての解体・リフォームなど」で、例に「外壁工事、塗装工事」「屋根の葺き替え工事」が挙がり、「工事の金額や建物の規模にかかわらず調査が必要です」とされています※7。
さらに一定規模以上の工事は、元請業者が調査結果を都道府県等へ報告します。建築物の改造・補修では「当該作業の請負代金の合計額が100万円以上であるもの」が対象で、金額は「材料費も含めた作業全体の請負代金の額をいい、事前調査の費用は含みませんが、消費税を含みます」※13。屋根のカバー工法や葺き替えは前述の費用帯から、この報告の対象になることが多い工事です。
| 見積の段階で確かめること | 根拠 |
|---|---|
| 石綿の事前調査費が計上されているか(書面調査・現地調査・裏面確認調査・分析調査・総合調査報告書・諸経費) | 厚生労働省「事前調査費用が計上されていることを確認してください」 |
| 調査する人が建築物石綿含有建材調査者などの資格を持っているか | 環境省チラシ「調査に必要な資格(建築物石綿含有建材調査者)がない」業者に注意 |
| 調査結果を書面でもらえるか | 環境省チラシ「調査の結果を書面で報告してこない」業者に注意。厚生労働省「石綿事前調査結果報告書の提出を求めます」 |
| 石綿ありの場合、撤去・処分の方法と費用が別に書かれているか | SUUMO取材先「処分費用だけで、30万円〜40万円必要になることもあります」 |
表の根拠は厚生労働省※14、環境省※7、SUUMO※9です。分析をしない場合でも、環境省は「石綿を含有するものとして取り扱うことになります」としています※6。カバー工法は既存のスレートを撤去しないため、SUUMOは「アスベストを含む古い屋根材も解体しないので、その時点でのアスベストの飛散を避けられます」※2、HOME’Sは「アスベストを飛散させずに封じ込めることができるカバー工法は、非常に有効な選択肢」としています※1。ただし石綿含有のスレートは屋根に残るので、将来の葺き替えや解体のときに撤去・処分費がかかる点は変わりません。
補助金については、厚生労働省のサイトで、国(国土交通省)のアスベスト除去等の補助制度の対象は「吹付けアスベスト、アスベスト含有吹付けロックウール」とされています※15。屋根のスレートは国の枠組みの対象外なので、自治体の独自制度があるかを個別に確認してください。
出典:※1 LIFULL HOME'S「屋根リフォームの種類3つを比較!塗装・カバー工法・葺き替えの費用と選び方」、※2 SUUMO リフォームタイムズ(株式会社リクルート)「屋根リフォームの費用相場。改修方法は、塗り替え、重ね葺き(カバー工法)、葺き替えの3種類」、※5 国土交通省「目で見るアスベスト建材(第2版)」、※6 環境省「建物を壊すときにはどうしたら良いの?」、※7 環境省「住宅・マンションなどの建築物や工作物の解体・改修等の工事を発注する皆様へ(石綿事前調査チラシ)」、※9 SUUMO リフォームタイムズ(株式会社リクルート)「スレート屋根の特徴とリフォーム費用。寿命やメンテナンス方法、ガルバリウム鋼板との違いも解説」、※12 厚生労働省 石綿総合情報ポータルサイト「石綿(アスベスト)とは(石綿関係法規の変遷)」、※13 環境省「石綿事前調査結果の報告について」、※14 厚生労働省 石綿総合情報ポータルサイト「解体・改修工事を発注するみなさまへ」、※15 厚生労働省 石綿総合情報ポータルサイト「補助金制度」
塗装で済む屋根と、塗装では直らない状態
スレート屋根の色あせは、それだけでは屋根の機能の問題ではありません。ケイミューは「弊社スレート屋根材は、表面の色が薄くなったり、汚れがついた場合でも屋根材としての基本性能は問題ありません」「美観の維持・向上を図るには、再塗装を行ってください」としています。一方で「雨漏りは再塗装では直りません」とも明記しており、部分的な割れは「屋根材の差替えや接着等で補修ができます」としています※4。雨漏りが出ている屋根に塗装だけを勧める見積は、メーカーの考え方と合いません。
塗装するときは塗料の選び方にも制約があります。ケイミューは「再塗装には各屋根材の専用塗料をご使用ください」「誤った塗装(施工方法)は、雨漏り等を引き起こす原因となります」※4、日本ペイントはモニエル瓦などの洋風コンクリート瓦について「基材表層に脆弱なカラースラリー層が残存していることが多く、これが塗料の付着性を阻害して剥がれやすくなるため、専用塗料での塗り替えをおすすめします」としています※16。SUUMOの記事は、ノンアスベストに移行した「2000年前後に販売されていたノンアスベストスレート屋根の中には、10年ほどでひびや欠け、反りなどの症状が見られるものが少なくありません」とし、塗装で症状が悪化する例もあると紹介しています※9。この時期の屋根で塗装を勧められたら、カバー工法や葺き替えの見積も同時に取って比べるのが確実です。塗装が要らない・向かない屋根材と縁切りの注意は塗装が要らない屋根・向かない屋根、塗装の時期の目安は屋根塗装の時期をご覧ください。
出典:※4 ケイミュー株式会社「ケイミュー屋根材 住宅外まわりのメンテナンスについて(カラーベスト グラッサシリーズ)」、※9 SUUMO リフォームタイムズ(株式会社リクルート)「スレート屋根の特徴とリフォーム費用。寿命やメンテナンス方法、ガルバリウム鋼板との違いも解説」、※16 日本ペイント株式会社「モニエル瓦屋根の塗り替えは注意が必要と聞いたがなぜですか?」
外壁と同時工事で足場は1回。火災保険・補助金との関係
屋根のどの工法でも、足場代は大きな費用です。ケイミューは「外装のリフォーム費用で大きな割合を占めるのが、足場代」「外壁、屋根・雨といのリフォームを同時に行えば、足場の設置が一度で済むので、工事費用を削減できます」としています※11。足場代の目安は、SUUMOが約25万〜35万円※2(相場ページでは25万〜40万円程度※8)、HOME’Sが1回あたり15万〜20万円程度です※1。屋根をカバー工法にする年に外壁の塗装やシーリングの打ち替えを重ねられないか、外壁の状態も一緒に見てもらってください。住まいるダイヤルの事例も、屋根のカバー工法と外壁塗装を1件の見積にしたものでした※10。
火災保険は、台風・突風・ひょうなどの自然災害で壊れた部分が対象で、経年劣化は対象外です。日本損害保険協会は「自然の消耗もしくは劣化または性質によるさびなどによって生じた損害はお支払いの対象とはなりません」※17、HOME’Sは「経年劣化による傷みや雨漏りは保険の対象外です」とし、「保険で直せる」と言われたら「その場で契約せず、まずはご自身が加入している保険会社のサポート窓口に直接連絡し」と勧めています※1。同じ屋根に災害の被害と経年劣化が混ざっている場合も、劣化の部分は補償の対象外なので、見積は被害部分と劣化部分を分けて書いてもらうと保険会社への説明がしやすくなります。外壁を含めた考え方は火災保険で外壁を直せるかにまとめています。
補助金は、自治体ごとに対象・条件が違います。ケイミューは「公的制度は工事の前後に手続きが必要なものがあったり、制度や自治体によって条件や申請方法などが異なる場合があります」としています※11。工事の前に手続きが要る制度もあるので、契約の前にお住まいの自治体で確認してください。国の制度の整理は国の補助金をご覧ください。
出典:※1 LIFULL HOME'S「屋根リフォームの種類3つを比較!塗装・カバー工法・葺き替えの費用と選び方」、※2 SUUMO リフォームタイムズ(株式会社リクルート)「屋根リフォームの費用相場。改修方法は、塗り替え、重ね葺き(カバー工法)、葺き替えの3種類」、※8 SUUMO(株式会社リクルート)「外壁外装・屋根のリフォーム費用・価格相場情報」、※10 住宅リフォーム・紛争処理支援センター(住まいるダイヤル)「リフォーム見積チェック事例「屋根・外壁リフォームの見積りをとったが、100万円ずつ金額が違うケース」」、※11 ケイミュー株式会社「外装リフォームで知っていると得する情報」、※17 日本損害保険協会「住宅の修理などに関するトラブルにご注意」
よくある質問
- 屋根のカバー工法はいくらかかりますか?
- 足場代込みで、LIFULL HOME’Sは30坪の戸建て(屋根面積約60〜70㎡)で約80万〜150万円、SUUMOは延床120㎡程度の木造総2階建てで約120万〜220万円(防水シート・水切り・換気棟などを含む)を目安にしています。足場代を除くと、SUUMOのスレート屋根の記事で屋根100㎡あたり100万円程度からです。屋根材のグレード、屋根の形、役物の数で変わるので、同じ条件で複数社の見積を比べてください。
- カバー工法と葺き替えはどちらがいいですか?
- 下地(野地板など)が傷んでいなければカバー工法、雨漏りがある・下地まで腐食している場合は葺き替えです。瓦屋根はカバー工法ができません。SUUMOは葺き替え費用をカバー工法の1.3倍から1.5倍程度としています。どちらがよいかは屋根に上がって下地を確認しないと決まらないので、点検の写真を見せてもらいながら説明を受けてください。
- 築年数が古いスレート屋根はアスベストが入っていますか?
- 国土交通省の資料では、石綿含有の住宅屋根用化粧スレートの製造時期は1961〜2004年です。この時期の屋根には含まれている可能性がありますが、製品によって異なるため、工事前に有資格者が書面・目視で調べ、分からなければ分析するか、石綿ありとして扱います。この事前調査は塗装工事を含むリフォーム全般で必要で、見積に調査費が入っているかを確認してください。
- カバー工法をすればアスベストの問題はなくなりますか?
- 既存のスレートを撤去しないため、工事のときの飛散は避けやすくなります(SUUMO、LIFULL HOME’S)。ただし石綿を含むスレートは屋根の中に残るので、将来の葺き替えや解体のときに撤去・処分費がかかります。カバー工法でも石綿の事前調査は必要です。
- 屋根のカバー工法に火災保険は使えますか?
- 経年劣化によるカバー工法・葺き替えは対象外です。台風・突風・ひょうなどの災害で壊れた部分は補償の対象になり得ますが、経年劣化の部分は対象外です。「保険で直せる」という勧誘は、その場で契約せず、加入している保険会社に直接確認してください。
出典
- LIFULL HOME'S「屋根リフォームの種類3つを比較!塗装・カバー工法・葺き替えの費用と選び方」(2026年9月29日更新) https://www.homes.co.jp/cont/reform/reform_00071/ /確認日 2026-10-27
- SUUMO リフォームタイムズ(株式会社リクルート)「屋根リフォームの費用相場。改修方法は、塗り替え、重ね葺き(カバー工法)、葺き替えの3種類」(2026年2月3日更新) https://suumo.jp/remodel/blog/entry/20220929/001 /確認日 2026-10-27
- ケイミュー株式会社「屋根リフォームについて工法別の特徴をご紹介」(2026年10月27日閲覧) https://www.kmew.co.jp/sotoreform/roof/ /確認日 2026-10-27
- ケイミュー株式会社「ケイミュー屋根材 住宅外まわりのメンテナンスについて(カラーベスト グラッサシリーズ)」(2024年7月現在) https://www.kmew.co.jp/maintenance/pdfs/mainte_glassa.pdf /確認日 2026-10-27
- 国土交通省「目で見るアスベスト建材(第2版)」(2008年(平成20年4月25日公表)) https://www.mlit.go.jp/kisha/kisha08/01/010425_3/01.pdf /確認日 2026-10-27
- 環境省「建物を壊すときにはどうしたら良いの?」(2026年10月27日閲覧) https://www.env.go.jp/air/asbestos/index6.html /確認日 2026-10-27
- 環境省「住宅・マンションなどの建築物や工作物の解体・改修等の工事を発注する皆様へ(石綿事前調査チラシ)」(令和8年3月版) https://www.env.go.jp/content/000299616.pdf /確認日 2026-10-27
- SUUMO(株式会社リクルート)「外壁外装・屋根のリフォーム費用・価格相場情報」(2022年10月27日更新) https://suumo.jp/remodel/soba/rk_outerwall-roof/ /確認日 2026-10-27
- SUUMO リフォームタイムズ(株式会社リクルート)「スレート屋根の特徴とリフォーム費用。寿命やメンテナンス方法、ガルバリウム鋼板との違いも解説」(2024年12月18日更新) https://suumo.jp/remodel/blog/entry/20241129/001 /確認日 2026-10-27
- 住宅リフォーム・紛争処理支援センター(住まいるダイヤル)「リフォーム見積チェック事例「屋根・外壁リフォームの見積りをとったが、100万円ずつ金額が違うケース」」(2026年10月27日閲覧) https://www.chord.or.jp/case/reform_estimate_check/chk1-001.html /確認日 2026-10-27
- ケイミュー株式会社「外装リフォームで知っていると得する情報」(2026年10月27日閲覧) https://www.kmew.co.jp/sotoreform/gain/ /確認日 2026-10-27
- 厚生労働省 石綿総合情報ポータルサイト「石綿(アスベスト)とは(石綿関係法規の変遷)」(2026年10月21日更新) https://www.ishiwata.mhlw.go.jp/about/ /確認日 2026-10-27
- 環境省「石綿事前調査結果の報告について」(2026年10月27日閲覧) https://www.env.go.jp/air/asbestos/post_87.html /確認日 2026-10-27
- 厚生労働省 石綿総合情報ポータルサイト「解体・改修工事を発注するみなさまへ」(2026年10月27日閲覧) https://www.ishiwata.mhlw.go.jp/business/reform-customer/ /確認日 2026-10-27
- 厚生労働省 石綿総合情報ポータルサイト「補助金制度」(2026年10月27日閲覧) https://www.ishiwata.mhlw.go.jp/subsidy-system/ /確認日 2026-10-27
- 日本ペイント株式会社「モニエル瓦屋根の塗り替えは注意が必要と聞いたがなぜですか?」(2026年10月27日閲覧) https://www.nipponpaint.co.jp/support/faq/24/ /確認日 2026-10-27
- 日本損害保険協会「住宅の修理などに関するトラブルにご注意」(2026年7月31日更新) https://www.sonpo.or.jp/news/caution/syuri.html /確認日 2026-10-27
外壁塗装の見積もりサービス ランキング
順位は、各社の公式サイトで確認できた対応範囲と、当サイトの広告掲載条件(成果報酬と承認率)をもとに編集部が決めています。
1位外壁塗装セレクトナビ
- 運営会社
- 株式会社サフタ
- 対象
- 一戸建て・マンションの外壁塗装・屋根塗装などの塗装工事の見積もり
- 対応エリア
- 全国
- 依頼内容を入力すると、条件に合う塗装店3〜5社から現地調査の日程調整の連絡が入る。見積書は約3営業日が目安と公式サイトで説明
- 登録業者は全国600社超。登録にあたり塗装業者の企業調査を行っていると公式サイトで説明
- 利用は無料で、契約の義務はない
- セレクトナビ経由で成約すると、お祝い金の申請ができる(金額は公式サイトで確認)
出典:株式会社サフタ「外壁塗装セレクトナビ(公式サイト・ご利用の流れ・運営会社)」(確認日 2026-09-29)
2位外壁塗装パートナーズ
- 運営会社
- 株式会社ソーラーパートナーズ
- 対象
- 一戸建ての外壁塗装・屋根塗装の見積もり(自社施工の塗装店の紹介)
- 対応エリア
- 全国(北海道を除く)
- 紹介するのは、販売から施工・アフターまで自社で行う塗装店に限ると公式サイトで説明。施工実績100棟以上・創業3年目以上など7つの審査基準がある
- 申し込むと、専門アドバイザーから電話で相談の連絡が入り、条件に合う塗装店を最大3社紹介。見積もり比較は無料で、契約の義務はない
- 断りの連絡を代わりに行う「お断り代行」と、押し売りや不適切な見積もりを禁じる「イエローカード制度」がある
- 自治体の助成金の条件(市内業者・事前登録・塗料の指定など)を調べたうえで塗装店を紹介すると、よくある質問で説明
- 北海道の外壁塗装は申し込みの対象外
出典:株式会社ソーラーパートナーズ「外壁塗装パートナーズ(公式サイト・見積もり比較の流れ・よくある質問)」(確認日 2026-10-06)
3位リショップナビ外壁塗装
- 運営会社
- 株式会社じげん(東証プライム上場)
- 対象
- 外壁・屋根の塗装(築8年以上、1年以内に工事予定)
- 対応エリア
- 全国
- 条件に合う塗装会社を最大4社まで無料で紹介し、現地調査の日程調整も代行する
- 加盟会社は全国500社で、加盟前に担当者が面談して審査していると公式サイトで説明している
- 紹介された会社と契約する義務はない。しつこい営業があれば運営会社に連絡できる
出典:株式会社じげん「リショップナビ外壁塗装|外壁・屋根塗装業者を見積り比較」(確認日 2026-09-30)
4位外壁塗装の窓口
- 運営会社
- 株式会社ドアーズ(ポート株式会社の100%子会社)
- 許可・登録
- 建設業許可 東京都知事許可(般-7)第160834号(公式サイトの表示)
- 対象
- 外壁塗装の見積もり(施工店の紹介)。築7年未満の住宅は対象外
- 対応エリア
- 全国(北海道・沖縄を除く)
- 全国5,500社以上の加盟店から、要望に合う施工店を紹介。最大4社の相見積もりを取れる(公式サイトの表示)
- 相談から見積もりの取得まで無料。見積もり後に断ることもでき、施工店への断りの連絡を代わりに行うサービスもある
- 運営は株式会社ドアーズ。東証上場のポート株式会社の100%子会社
- 北海道・沖縄にお住まいの方と、築7年未満の住宅は申し込みの対象外
出典:株式会社ドアーズ「外壁塗装の窓口(公式サイト)」(確認日 2026-09-29)
5位外装工事ヒカーク
- 運営会社
- 株式会社shalcfield
- 対象
- 一戸建て・マンション・店舗などの外装工事(塗装、屋根の葺き替え・カバー工事、防水工事、雨漏り修理)の見積もり
- 対応エリア
- 全国
- 専属アドバイザーが建物の状態を聞き取り、業者の担当者を複数名紹介。相談・紹介・現地調査・見積もりは無料
- 加盟業者からは固定の掲載料を受け取る仕組みで、契約時の中間マージンは受け取っていないと公式サイトで説明
- 業者への断りの連絡をアドバイザーが代わりに行う「お断り代行制度」、クレームの多い業者を外す「加盟店除名制度」がある
- 加盟業者の無理な営業は禁止。申し込み後、業者から直接連絡が入ることはないと公式サイトで説明
出典:株式会社shalcfield「【外装工事ヒカーク】外装工事の優良業者紹介サービス(公式サイト)」(確認日 2026-09-29)



