モルタル外壁の塗り替え:リシン・スタッコ・吹付タイルの見分け方、ひび割れ補修の工法と幅の目安、下塗りと塗料の選び方、費用

モルタル外壁の塗り替えは、「ひび割れをどう補修するか」と「既存の模様(リシン・スタッコ・吹付タイル)を残すか」で中身が決まります。ひび割れは、国総研の技術資料がおおよそ0.3mm以上で雨水の浸入速度が急激に速まるとしており、国の改修標準仕様書は樹脂注入・Uカットシール材充填・シールの3工法を定めています(Uカットは幅10mm程度・深さ10〜15mm程度の溝を切ってシーリング材を充填)。塗り替えの手順は高圧洗浄→ひび割れ補修→下塗り(シーラーまたは微弾性フィラー)→中塗り・上塗りで、モルタルは吸い込みが大きいので下塗りを省けません。既存模様を残すなら薄付けのフィラーと意匠用の改修塗材、模様を変えるなら厚付けのフィラーでローラー模様を付けます。費用はSUUMOが延床120㎡の戸建てで90万〜140万円前後、LIXILリフォームショップが外壁塗装全体で60万〜180万円、ひび割れ補修1〜10万円/1か所としています。浮き・はく落、ラスのさび、ひび割れからの漏水がある場合は塗装では直らず、左官補修や張り替え・カバー工法の判断になります。
目次
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モルタル外壁の構成と、仕上げの種類の見分け方
モルタル外壁(ラスモルタル)は、柱・間柱の上に下地板(公共建築木造工事標準仕様書では厚さ12mm・幅75mm)を張り、防水紙を留め、金網状のラス(メタルラス)を留め付けて、その上にモルタルを塗り、仕上塗材を吹き付けまたは塗って作ります。公共建築工事標準仕様書は、ラス系下地を「通気構法…の場合は二層下地又は単層下地、直張り工法の場合はラスモルタル下地又はラスシートモルタル下地」とし、直張り工法を「ラス下地板又は下地用合板に防水紙を留め付け、その上から通気層を設けないで、ラス、モルタル等を直接施工する」と定義し、メタルラス下地の外壁塗厚は20mmとしています。※1※2 国総研は「モルタル外壁は、左官仕上げの流れを汲む伝統的かつ身近な外装材であり、我が国においては住宅の不燃化のために推進され普及してきた」とし、既存住宅は「モルタル外壁のほとんどが直張り構法であることが考えられる」としています。※3
表面の仕上げは、JIS A 6909(建築用仕上塗材)の区分で3つに大別されます。建築研究所の資料は「改修専用の仕上塗材である可とう形改修塗材を除くと、外装用の仕上塗材については模様や厚さなどの形状の違いから、薄付け仕上塗材、複層仕上塗材、厚付け仕上塗材の3種類に大別され」としています。※4
| 通称 | JISの区分 | 見た目・触感 | 塗り替えの注意 |
|---|---|---|---|
| リシン(吹付リシン・掻き落とし) | 薄付け仕上塗材(外装薄塗材E など) | 砂壁状でザラザラ。砂粒が手に付く。膜厚は0.5〜3mm程度(エスケー化研) | 模様を残すなら薄付けのフィラーと意匠系の改修塗材。古い住宅で最も多い |
| スタッコ | 厚付け仕上塗材(外装厚塗材C など) | 凹凸が大きく、膜厚1〜5mm程度(エスケー化研) | 日本ペイントは「スタッコ仕上げ面はポーラスで空気層を抱くため、弾性塗料や厚膜タイプの塗料を塗装すると塗膜に膨れが生じやすくなります」と注意※5 |
| 吹付タイル(ボンタイル) | 複層仕上塗材(複層塗材E、防水形複層塗材E など) | ゆず肌・凸部を押さえた玉模様。表面はツルッとしている | 下塗り+主材+上塗りの3層構成。弾性タイプ(防水形)は透湿性のある塗料を選ぶ |
| 意匠性の塗り壁(コテ模様など) | 厚付け仕上塗材・装飾仕上塗材 | 職人のコテ跡や櫛目 | 模様を残す改修塗材か、左官での塗り直し |
膜厚の目安はエスケー化研の説明で「吹付タイルやリシンは0.5~3mm程度、スタッコは1~5mm程度の膜厚となります」です。※6 建築研究所の資料は、既存塗膜のシェア(日本建築仕上材工業会の生産統計からの推定)を「薄塗材 E(樹脂リシン)が 29.5%、防水形薄塗材 E(単層弾性)が 9.8%、防水形複層塗材 E(複層弾性)を含む複層塗材 E(樹脂系吹付けタイル)が 12%、厚塗材 E(樹脂スタッコ)と厚塗材 C(セメントスタッコ)の合計が 2.4%、可とう形改修塗材が29.7%で、既存塗膜の多くは樹脂リシンか樹脂系吹付けタイルである」としています。※4 モルタル外壁の住宅が全国にどれだけあるかの公的な統計は見つけられませんでした。
出典:※1 国土交通省 大臣官房官庁営繕部「公共建築工事標準仕様書(建築工事編)令和7年版 18章 塗装工事」、※2 国土交通省大臣官房官庁営繕部「公共建築木造工事標準仕様書 令和7年版」、※3 国土技術政策総合研究所「国総研資料第779号 木造住宅モルタル外壁の設計・施工に関する技術資料」、※4 建築研究所「建築研究資料No.145 建築物の長期使用に対応した外装・防水の品質確保ならびに維持保全手法の開発に関する研究 2章 外装塗り仕上げ」、※5 日本ペイント「スタッコ仕上げ面の塗り替えで注意することは?(よくあるご質問)」、※6 エスケー化研「よくあるご質問 用語説明(期待耐用年数の意味)」
ひび割れの判定と補修工法:0.3mmが目安、工法は3つ
モルタルにはひび割れが付き物です。国総研は「モルタル壁面には各種の要因によるひび割れの発生がほとんど不可避である」とし、「モルタルのひび割れ幅がおおよそ 0.3mm 以上になると,ひび割れからの雨水の浸入速度が急激に速まるので」仕上塗材の選定が重要だと書いています。「塗膜が劣化した場合,雨水が短時間でモルタルの裏面に到達する」ともあります。※3 同じ国総研のQ&Aは、通気構法なら二種類の防水紙と通気層で三重の防水性があるため「小さなひび割れは、必要以上に心配する必要はありません」とする一方、「通気層が無い直張り構法の場合は、ひび割れ部から浸入した水が下地に滞留しやすくなります」としています。※7 既存住宅の多くは直張りなので、ひび割れは放置せず、塗り替えのときに補修しておくべきだということです。
工法は、国土交通省の公共建築改修工事標準仕様書(令和7年版)が定めています。「モルタル塗り仕上げ外壁は、次による。(ア) ひび割れ部改修工法は次により、種類は特記による。(a) 樹脂注入工法 (b) Uカットシール材充填工法 (c) シール工法」。Uカットシール材充填工法は「ひび割れ部に沿って、電動カッター等を用いて幅10mm程度、深さ10~15mm程度にU字型の溝を設ける」、シール工法は「プライマーを塗布した後、シール材をパテへら等で幅10mm、厚さ2mm程度に塗布し、その表面を平滑に仕上げる」です。※8 どの幅でどの工法かは、この仕様書では「特記による」で数値を定めていません。国交省の共同住宅再生勉強会の技術シート(RC造向け)は、「被覆工法(シール工法)は…0.2mm未満の軽微な収縮ひび割れを対象」「注入工法は…一般的には幅0.2〜1.0mmのひび割れに対して施工」「充てん工法(Uカットシール材充てん工法)とは…0.5〜1.0mm 程度以上の比較的大きな幅のひび割れ、かつ、鋼材が腐食していない場合の補修に適する」と整理しています。※9
| ひび割れ幅 | 工法 | 内容 | 出典 |
|---|---|---|---|
| 0.2mm未満(ヘアークラック) | シール工法(被覆) | プライマーの上にシール材を幅10mm・厚さ2mm程度に塗る。微弾性フィラーで埋めて塗装することも多い | 国交省技術シート、改修標準仕様書 |
| 0.2〜1.0mm | 樹脂注入工法 | エポキシ樹脂などを注入器で低圧注入する | 国交省技術シート |
| 0.5〜1.0mm以上 | Uカットシール材充填工法 | 幅10mm程度・深さ10〜15mm程度のU字溝を切り、プライマーの上にシーリング材を充填し、表面をモルタル等で仕上げる | 国交省技術シート、改修標準仕様書 |
エスケー化研も「ひび割れが目立ち、基材から発生している場合は、ひびに沿って多少大きめのU型の溝を掘り、シーリング材を充填して防水性を高めます」としています。※10 SUUMOの解説(さくら事務所監修)は「モルタルのひび割れも軽微なヘアクラック程度ならそのまま塗装のし直しで済むこともありますし、幅が0.5mm〜1.0mmといったひび割れだと補修が必要になります」としています。※11 なお、建築基準法第12条の定期調査(特定建築物が対象で、戸建ては原則対象外)の判定基準は「外壁タイル等に剥落等があること又は著しい白華、ひび割れ、浮き等があること」という定性的なもので、幅の数値はありません。※12
見積書では、ひび割れ補修が「どの工法で、何mまたは何か所か」書かれているかを見ます。「クラック補修一式」では、Uカットなのかフィラーで埋めるだけなのか分かりません(見積書の見方、外壁のひび割れ)。
出典:※3 国土技術政策総合研究所「国総研資料第779号 木造住宅モルタル外壁の設計・施工に関する技術資料」、※7 国土技術政策総合研究所「モルタル外壁が地震により剥がれたり、下地を劣化させたりしないための7つのQ&A」、※8 国土交通省 大臣官房官庁営繕部「公共建築改修工事標準仕様書(建築工事編)令和7年版」、※9 国土交通省「持続可能社会における既存共同住宅ストックの再生に向けた勉強会 別紙7 個別技術シート集」、※10 エスケー化研「よくあるご質問(施工)」、※11 SUUMO(株式会社リクルート)「【塗料の種類別】外壁塗装の費用相場。もらえる助成金や依頼先の選び方は?(リフォームタイムズ)」、※12 国土交通省(柏市掲載の告示全文)「平成20年国土交通省告示第282号(建築基準法第12条の定期調査の項目・方法・判定基準)」
塗り替えの手順:高圧洗浄→補修→下塗り→中塗り・上塗り
改修標準仕様書は、既存塗膜の劣化部の除去と下地処理を「(ア) サンダー工法 (イ) 高圧水洗工法 (ウ) 塗膜はく離剤工法 (エ) 水洗い工法」から選ぶとし、モルタル面の下地調整は「合成樹指エマルションシーラーを全面に塗り付ける。ただし、仕上塗材の下塗材で代用する場合は、省略することができる」としています。※8 日本ペイントは、スタッコ面について「白亜化(チョーキング)すると、塗料粉化物が付着性を阻害することがあるため、高圧洗浄機を使用した念入りな下地調整が必要です」としています。※5
下塗りの役割は2つです。エスケー化研は「シーラーは…モルタルやコンクリート等、主に吸込みのある素地に適用する下塗材です。…フィラーは…主にクラック(ひび割れ)の補修や、凹凸のある下地を埋め平滑にするために使われます」と説明しています。※6 水谷ペイントも「窯業系(セメント系)の被塗面は水分をよく浸透させるため、そのまま上塗りを塗装すると塗膜性能が落ちてしまいます。下塗りを行うことで、浸透を防ぐ「吸い込み止め」としての役割もあります」としています。※13 モルタルの塗り替えでよく使われる「微弾性フィラー」は、JISでは可とう形改修塗材Eに当たります。エスケー化研の製品では「微弾性があり防水性を発揮します」「旧塗膜表面の微細なひび割れ、巣穴などを1回塗りでカバーでき」と説明され、適用下地は「旧塗膜:エマルションペイント、リシン、スタッコ、吹付タイル(硬質・弾性)、単層弾性塗材…などの活膜下地(付着強度が0.7N/mm2以上)」とされています。※14※15 「活膜」とは、まだ下地にしっかり付いている既存塗膜のことで、はく離している部分は除去してから塗ります。
| 工程 | 内容 | 確認ポイント |
|---|---|---|
| 1. 高圧洗浄 | チョーキングの粉、藻・コケ、はく離塗膜を落とす | 洗浄後の乾燥日数が工程表にあるか |
| 2. 下地補修 | ひび割れ補修(シール/注入/Uカット)、浮き・欠損の左官補修 | 工法と数量(m・か所) |
| 3. 下塗り | シーラー(吸い込み止め)または微弾性フィラー(ひび割れ・凹凸を埋める) | 製品名。模様を残すなら薄付け、変えるなら厚付け |
| 4. 中塗り・上塗り | 上塗り塗料を2回。単層弾性塗材は下塗り+主材の2層 | 製品名・色番号・缶数。乾燥時間 |
「塗り替え」と「模様替え」は別の工事です。エスケー化研は「リシンなどの質感を残す塗り替えには、旧塗膜が活膜であれば、意匠系仕上げの改修専用製品アートフレッシュをおすすめします」とし、同製品は「既存のパターン、質感を維持したまま、新設時の美観を表現することができます」。一方、厚付け用のフィラーは「既存テクスチャーを生かす薄付け仕上げだけでなく、ローラー模様を付ける厚付け仕上げも可能です」とされ、こちらは模様を変える工事になります。※16※17※15 水谷ペイントも「旧塗膜の模様をそのまま生かす場合や、表面をフラットに仕上げる時は、中塗りを行う必要はありません」と、工程が変わることを説明しています。※13 リシンのザラザラを残したいのか、ツルッとした吹付タイル風にしたいのかを、見積もり前に伝えてください。
出典:※5 日本ペイント「スタッコ仕上げ面の塗り替えで注意することは?(よくあるご質問)」、※6 エスケー化研「よくあるご質問 用語説明(期待耐用年数の意味)」、※8 国土交通省 大臣官房官庁営繕部「公共建築改修工事標準仕様書(建築工事編)令和7年版」、※13 水谷ペイント(ナノコンポジット)「塗り替えのポイント4 下塗り・中塗り・上塗りの工程」、※14 エスケー化研「水性ソフトサーフSG(製品情報)」、※15 エスケー化研「エスケー弾性プレミアムフィラー(製品情報)」、※16 エスケー化研「よくあるご質問(製品の選び方)」、※17 エスケー化研「アートフレッシュ(製品情報)」
塗料の選び方:弾性と透湿性、艶、塗り替えサイクル
モルタルはひび割れが前提の外壁なので、塗膜が追従する「弾性」が話題になります。エスケー化研は「弾性は、塗膜自体が伸び、外壁下地の微細なひび割れに追従する機能です。…可とう形は、弾性ほどの伸びはありませんが、塗膜に柔軟性があります…微弾性塗膜といわれることもあります」と説明しています。※18 ただし弾性塗料には膨れの注意があります。日本ペイントは「ALCパネル、窯業系サイディングや軽量モルタル等の断熱性が高い材質の外壁は…弾性塗料に新たに塗料を塗り重ねると、水蒸気が逃げにくくなり、その結果、弾性塗料の柔らかな塗膜を膨らませてしまう傾向があります」、前述のとおりスタッコ面も膨れやすいとしています。※19※5 対策は透湿性です。エスケー化研は「塗膜に通気性・透湿性があると、塗膜の内部に水蒸気が溜まらないので、塗膜の欠陥であるふくれの発生を防止できます」、日本ペイントは「透湿性があると、外壁素地に含まれる湿気を逃がしやすいため、塗膜の膨れが起こりにくくなります」としています。※18※20 既存が弾性塗料(単層弾性・複層弾性)なら、重ねる塗料を透湿性のあるものにするか、業者に膨れの対策を聞いてください。
艶の有無で耐久性は変わりません。エスケー化研は「艶の差による耐久年数の差はほとんどありません」、日本ペイントは「塗料の色相やつやにより耐候性は全く同じではありませんが、顕著な差ではなく、期待耐用年数は変わりません」としています。※18※21 リシンやスタッコの質感には艶消し・3分艶が合わせやすい、という好みの話です。
塗り替えの時期は、チョーキングが目安です。日本ペイントは「塗装面に手のひらを当てると、塗膜の劣化(白亜化・チョーキング)で生じた白っぽい粉がべったりと付着します。これを塗り替えサインと捉えることができます」とし、エスケー化研は劣化の2段階(チョーキング、摩耗、ひび割れ)から3段階に達した時期、「3段階手前が理想」を最適な修繕時期としています。※22※18 メーカーの期待耐用年数は、エスケー化研が「アクリルで5~8年、ウレタンで8~10年、シリコンで10~15年、ふっ素が15~20年と一般的には言われています」、関西ペイントが「ふっ素樹脂塗料・・・15~20年 シリコン樹脂塗料・・12~15年 ウレタン樹脂塗料・・8~10年 アクリル樹脂塗料・・5~7年 ※上記は淡彩系を基準としたおおよその目安です」、水谷ペイントが「アクリル系:3〜5年 ウレタン系:5〜7年 シリコン:7〜10年」と、社によって幅があります。関西ペイントは塗り替え周期を「一般的には、新築もしくは、前回の塗替えから10年~15年が目安」としています。※18※23※24※25 塗料の種類ごとの考え方は塗料の種類、時期の判断は塗り替え時期にまとめています。
出典:※5 日本ペイント「スタッコ仕上げ面の塗り替えで注意することは?(よくあるご質問)」、※18 エスケー化研「よくあるご質問 塗料の性能について」、※19 日本ペイント「よくあるご質問「弾性塗料はALCパネルや窯業系サイディングの外壁塗り替えに適さないといわれたがなぜですか?」」、※20 日本ペイント「透湿性塗料とは?(よくあるご質問)」、※21 日本ペイント「色やつやで耐久性は変わりますか?(よくあるご質問)」、※22 日本ペイント「よくあるご質問 No.4(塗り替えのタイミング)」、※23 関西ペイント「建築用塗料 よくあるご質問」、※24 水谷ペイント「ナノコンポジット Q&A」、※25 関西ペイント「リフォームサミット よくある質問」
費用の目安
許可された出典で確認できた数字です。前提が違うので併記します。
| 項目 | 目安 | 条件・出典 |
|---|---|---|
| 外壁塗装の総額 | 90万〜140万円前後 | 総床面積120㎡程度の一戸建て。足場・高圧洗浄・軽微な補修・コーキング打ち直しを含む。低価格帯(アクリル系)約90万円前後、中価格帯(ウレタン・シリコン)約100万〜120万円、高価格帯(フッ素・無機系)約120万〜140万円(SUUMO、2026年3月更新)※11 |
| 外壁塗装の総額 | 60万〜180万円 | 面積の前提なし(LIXILリフォームショップ、2025年8月更新)※26 |
| ひび割れ(クラック)補修 | 1〜10万円/1か所 | コーキング剤の擦り込み等(LIXILリフォームショップ)※26 |
| チョーキングへの塗装 | 1,900〜5,500円/㎡ | 高圧洗浄後に外壁塗装(LIXILリフォームショップ)※26 |
| 膨れ・剥がれの補修 | 1,700〜5,000円/㎡ | LIXILリフォームショップ※26 |
| 足場 | 1㎡あたり1,000〜1,500円程度 | SUUMO※11 |
| カバー工法・張り替え | カバー工法100万〜220万円、張り替え150万〜250万円 | LIXILリフォームショップ※26 |
Uカット補修の「1mあたり」の単価は、許可された出典に見つけられませんでした。LIXILの「1か所」単価はひび割れの長さで大きく変わるので、見積もりでm数と単価を出してもらってください。SUUMOは「モルタルの外壁塗装に比べて、サイディングの外壁塗装の方が金額は高くなりがちです」としています。※11 モルタルはシーリングの打ち替えが(サッシまわり以外)ほぼ要らない分、サイディングより安くなる傾向ですが、ひび割れ補修と下地の欠損補修が多いと逆転します(外壁塗装の相場、坪数別の費用)。
出典:※11 SUUMO(株式会社リクルート)「【塗料の種類別】外壁塗装の費用相場。もらえる助成金や依頼先の選び方は?(リフォームタイムズ)」、※26 LIXILリフォームショップ「外壁補修が必要な劣化症状|部分補修と全体補修の費用相場は?」
塗装では直らない状態:浮き・ラスのさび・漏水
改修標準仕様書は、「ひび割れ部から漏水が見られる場合、ひび割れ部周辺のモルタルに浮きが見られる場合又はひび割れ部から錆汁がでている場合は、改修方法について事前に監督職員と協議する」と定め、浮きの補修範囲は「テストハンマー等により、はく落のおそれがある浮き部について確認し」決めるとしています。※8 つまり、漏水・浮き・さび汁はひび割れ補修の標準工法の外にある状態です。国総研は「線径の細いラスは腐食しやすく,地震時だけでなく地震前にはく落する原因となり得る」としており、さび汁はモルタルの中のラスがさびているサインです。※3 日本ペイントも、塗膜の膨れが再発する場合「原因の一つとして建物の漏水の可能性が考えられます。この場合は、漏水箇所を特定、補修してから補修塗装しないかぎり根本対策となりません」としています。※27
次の状態があるときは、塗装の見積もりの前に、左官補修の範囲か、張り替え・カバー工法かの判断が要ります。SUUMOも「塗膜を塗り直すだけでは状態が改善せず、サイディングの張り替えやモルタルの塗り直しをした方がよいケースもあります」としています。※11
- 叩くと空洞音がする(浮き):モルタルがラスから離れている。広範囲なら部分的に撤去して塗り直す
- ひび割れからさび色の汁が出る:ラスの腐食。周囲のモルタルも弱っている
- ひび割れの位置と室内の雨漏り・壁の湿りが一致する:直張りで防水紙まで水が回っている可能性。塗装前に雨漏りの調査
- 爆裂(モルタルが押し出されて割れている):内部の膨張。欠損部の左官補修が先
張り替え・カバー工法の考え方は外壁の張り替え・カバー工法、塗膜の剥がれの見分けは塗膜の剥がれを参照してください。工事中の暮らしへの影響は工事中の生活にまとめています。
費用の目安は各社の解説の時点のもので、地域・建物・業者で変わります。公共建築の仕様書は官庁施設向けの基準で、戸建て住宅にそのまま適用されるものではありませんが、工法の名称と内容の根拠として参照しています。メーカーの数値は各社の説明にもとづき、社によって異なります。
出典:※3 国土技術政策総合研究所「国総研資料第779号 木造住宅モルタル外壁の設計・施工に関する技術資料」、※8 国土交通省 大臣官房官庁営繕部「公共建築改修工事標準仕様書(建築工事編)令和7年版」、※11 SUUMO(株式会社リクルート)「【塗料の種類別】外壁塗装の費用相場。もらえる助成金や依頼先の選び方は?(リフォームタイムズ)」、※27 日本ペイント「よくあるご質問「外壁の塗膜が膨れてきたので塗り替えたが、また同じ場所が膨れてきた。考えられる原因は何ですか?」」
よくある質問
- リシンのザラザラした感じを残して塗り替えられますか
- できます。既存塗膜が活膜(下地にしっかり付いている状態)なら、薄付けの下塗りと意匠系の改修塗材で質感を残したまま塗り替えられます。エスケー化研は「リシンなどの質感を残す塗り替えには、旧塗膜が活膜であれば、意匠系仕上げの改修専用製品…をおすすめします」としています。逆に厚付けのフィラーでローラー模様を付けると質感は変わります。見積もり前に「模様を残すか、変えるか」を業者に伝え、使う下塗り材の製品名を見積書に書いてもらってください。
- ひび割れは全部Uカットしないとだめですか
- いいえ。国交省の技術シートでは、0.2mm未満の軽微なひび割れはシール工法(被覆)、0.2〜1.0mmは樹脂注入、0.5〜1.0mm以上はUカットシール材充填と、幅で工法を使い分けます。細いヘアークラックは微弾性フィラーで埋めて塗装することも多いです。ただし国総研は、幅がおおよそ0.3mm以上になると雨水の浸入速度が急激に速まるとしており、直張り構法の家ではひび割れを放置しないことが大切です。見積書に工法と数量が書かれているかを確認してください。
- 前回、弾性塗料で塗りました。今回も弾性にすべきですか
- 既存が弾性塗料でも、重ねる塗料は透湿性を優先してください。日本ペイントは、弾性塗料の上に塗料を塗り重ねると水蒸気が逃げにくくなり塗膜が膨れる傾向があるとし、スタッコ面にも弾性塗料・厚膜塗料で膨れが生じやすいと注意しています。微細なひび割れへの追従は可とう形(微弾性)の下塗り材でも得られます。業者に「既存が弾性であること」を伝え、膨れ対策(透湿性のある塗料の選定)を聞いてください。
出典
- 国土交通省 大臣官房官庁営繕部「公共建築工事標準仕様書(建築工事編)令和7年版 18章 塗装工事」(令和7年版(令和7年5月12日最終改定)) https://www.mlit.go.jp/gobuild/content/001888816.pdf /確認日 2026-09-29
- 国土交通省大臣官房官庁営繕部「公共建築木造工事標準仕様書 令和7年版」(令和7年版) https://www.mlit.go.jp/gobuild/content/001888858.pdf /確認日 2026-10-24
- 国土技術政策総合研究所「国総研資料第779号 木造住宅モルタル外壁の設計・施工に関する技術資料」(2014年3月) https://www.nilim.go.jp/lab/bcg/siryou/tnn/tnn0779.htm /確認日 2026-10-24
- 建築研究所「建築研究資料No.145 建築物の長期使用に対応した外装・防水の品質確保ならびに維持保全手法の開発に関する研究 2章 外装塗り仕上げ」(2013年8月) https://www.kenken.go.jp/japanese/contents/publications/data/145/2.pdf /確認日 2026-10-24
- 日本ペイント「スタッコ仕上げ面の塗り替えで注意することは?(よくあるご質問)」(更新日の表示なし(2026年10月閲覧)) https://www.nipponpaint.co.jp/support/faq/27/ /確認日 2026-10-24
- エスケー化研「よくあるご質問 用語説明(期待耐用年数の意味)」(2026年10月閲覧) https://www.sk-kaken.co.jp/faq/faq-05/ /確認日 2026-10-11
- 国土技術政策総合研究所「モルタル外壁が地震により剥がれたり、下地を劣化させたりしないための7つのQ&A」(更新日の表示なし(2026年10月閲覧)) https://www.nilim.go.jp/lab/hcg/gaiheki/file/mortar-saiyo.pdf /確認日 2026-10-24
- 国土交通省 大臣官房官庁営繕部「公共建築改修工事標準仕様書(建築工事編)令和7年版」(令和7年3月21日(最終改定 令和7年5月12日)) https://www.mlit.go.jp/gobuild/content/001888823.pdf /確認日 2026-10-25
- 国土交通省「持続可能社会における既存共同住宅ストックの再生に向けた勉強会 別紙7 個別技術シート集」(平成25年3月1日最終更新) https://www.mlit.go.jp/common/000227871.pdf /確認日 2026-10-24
- エスケー化研「よくあるご質問(施工)」(2022年3月14日更新(2026年10月27日閲覧)) https://www.sk-kaken.co.jp/faq/faq-03/ /確認日 2026-10-27
- SUUMO(株式会社リクルート)「【塗料の種類別】外壁塗装の費用相場。もらえる助成金や依頼先の選び方は?(リフォームタイムズ)」(2026年3月13日更新) https://suumo.jp/remodel/blog/entry/20241209/004 /確認日 2026-10-27
- 国土交通省(柏市掲載の告示全文)「平成20年国土交通省告示第282号(建築基準法第12条の定期調査の項目・方法・判定基準)」(平成20年告示(改正後)) https://www.city.kashiwa.lg.jp/documents/4637/kokuji282_1.pdf /確認日 2026-10-24
- 水谷ペイント(ナノコンポジット)「塗り替えのポイント4 下塗り・中塗り・上塗りの工程」(更新日の表示なし(2026年10月閲覧)) https://www.toso-nano.com/useful/point4.html /確認日 2026-10-24
- エスケー化研「水性ソフトサーフSG(製品情報)」(更新日の表示なし(2026年10月閲覧)) https://www.sk-kaken.co.jp/product/undercoating-materials/softsurf-sg/ /確認日 2026-10-24
- エスケー化研「エスケー弾性プレミアムフィラー(製品情報)」(更新日の表示なし(2026年10月閲覧)) https://www.sk-kaken.co.jp/product/undercoating-materials/premiumfiller/ /確認日 2026-10-24
- エスケー化研「よくあるご質問(製品の選び方)」(2026年10月25日閲覧) https://www.sk-kaken.co.jp/faq/faq-02/ /確認日 2026-10-25
- エスケー化研「アートフレッシュ(製品情報)」(更新日の表示なし(2026年10月閲覧)) https://www.sk-kaken.co.jp/product/exterior-finish-materials/artfresh/ /確認日 2026-10-24
- エスケー化研「よくあるご質問 塗料の性能について」(2022年3月14日更新(2026年10月27日閲覧)) https://www.sk-kaken.co.jp/faq/faq-01/ /確認日 2026-10-27
- 日本ペイント「よくあるご質問「弾性塗料はALCパネルや窯業系サイディングの外壁塗り替えに適さないといわれたがなぜですか?」」(2026年10月閲覧) https://www.nipponpaint.co.jp/support/faq/36/ /確認日 2026-10-11
- 日本ペイント「透湿性塗料とは?(よくあるご質問)」(更新日の表示なし(2026年10月閲覧)) https://www.nipponpaint.co.jp/support/faq/33/ /確認日 2026-10-24
- 日本ペイント「色やつやで耐久性は変わりますか?(よくあるご質問)」(2026年10月27日閲覧) https://www.nipponpaint.co.jp/support/faq/46/ /確認日 2026-10-27
- 日本ペイント「よくあるご質問 No.4(塗り替えのタイミング)」(2026年10月27日閲覧) https://www.nipponpaint.co.jp/support/faq/4/ /確認日 2026-10-27
- 関西ペイント「建築用塗料 よくあるご質問」(更新日の表示なし(2026年10月閲覧)) https://www.kansai.co.jp/products/decorative/qa/ /確認日 2026-10-24
- 水谷ペイント「ナノコンポジット Q&A」(更新日の表示なし(2026年10月閲覧)) https://www.toso-nano.com/faq/index.html /確認日 2026-10-24
- 関西ペイント「リフォームサミット よくある質問」(更新日の表示なし(2026年10月閲覧)) https://www.kansai.co.jp/reform-s/qa/ /確認日 2026-10-24
- LIXILリフォームショップ「外壁補修が必要な劣化症状|部分補修と全体補修の費用相場は?」(2025年8月5日更新) https://www.lixil-reformshop.jp/column/article/outerwall_cost/ /確認日 2026-10-25
- 日本ペイント「よくあるご質問「外壁の塗膜が膨れてきたので塗り替えたが、また同じ場所が膨れてきた。考えられる原因は何ですか?」」(2026年10月閲覧) https://www.nipponpaint.co.jp/support/faq/13/ /確認日 2026-10-11
外壁塗装の見積もりサービス ランキング
順位は、各社の公式サイトで確認できた対応範囲と、当サイトの広告掲載条件(成果報酬と承認率)をもとに編集部が決めています。
1位外壁塗装セレクトナビ
- 運営会社
- 株式会社サフタ
- 対象
- 一戸建て・マンションの外壁塗装・屋根塗装などの塗装工事の見積もり
- 対応エリア
- 全国
- 依頼内容を入力すると、条件に合う塗装店3〜5社から現地調査の日程調整の連絡が入る。見積書は約3営業日が目安と公式サイトで説明
- 登録業者は全国600社超。登録にあたり塗装業者の企業調査を行っていると公式サイトで説明
- 利用は無料で、契約の義務はない
- セレクトナビ経由で成約すると、お祝い金の申請ができる(金額は公式サイトで確認)
出典:株式会社サフタ「外壁塗装セレクトナビ(公式サイト・ご利用の流れ・運営会社)」(確認日 2026-09-29)
2位外壁塗装パートナーズ
- 運営会社
- 株式会社ソーラーパートナーズ
- 対象
- 一戸建ての外壁塗装・屋根塗装の見積もり(自社施工の塗装店の紹介)
- 対応エリア
- 全国(北海道を除く)
- 紹介するのは、販売から施工・アフターまで自社で行う塗装店に限ると公式サイトで説明。施工実績100棟以上・創業3年目以上など7つの審査基準がある
- 申し込むと、専門アドバイザーから電話で相談の連絡が入り、条件に合う塗装店を最大3社紹介。見積もり比較は無料で、契約の義務はない
- 断りの連絡を代わりに行う「お断り代行」と、押し売りや不適切な見積もりを禁じる「イエローカード制度」がある
- 自治体の助成金の条件(市内業者・事前登録・塗料の指定など)を調べたうえで塗装店を紹介すると、よくある質問で説明
- 北海道の外壁塗装は申し込みの対象外
出典:株式会社ソーラーパートナーズ「外壁塗装パートナーズ(公式サイト・見積もり比較の流れ・よくある質問)」(確認日 2026-10-06)
3位リショップナビ外壁塗装
- 運営会社
- 株式会社じげん(東証プライム上場)
- 対象
- 外壁・屋根の塗装(築8年以上、1年以内に工事予定)
- 対応エリア
- 全国
- 条件に合う塗装会社を最大4社まで無料で紹介し、現地調査の日程調整も代行する
- 加盟会社は全国500社で、加盟前に担当者が面談して審査していると公式サイトで説明している
- 紹介された会社と契約する義務はない。しつこい営業があれば運営会社に連絡できる
出典:株式会社じげん「リショップナビ外壁塗装|外壁・屋根塗装業者を見積り比較」(確認日 2026-09-30)
4位外壁塗装の窓口
- 運営会社
- 株式会社ドアーズ(ポート株式会社の100%子会社)
- 許可・登録
- 建設業許可 東京都知事許可(般-7)第160834号(公式サイトの表示)
- 対象
- 外壁塗装の見積もり(施工店の紹介)。築7年未満の住宅は対象外
- 対応エリア
- 全国(北海道・沖縄を除く)
- 全国5,500社以上の加盟店から、要望に合う施工店を紹介。最大4社の相見積もりを取れる(公式サイトの表示)
- 相談から見積もりの取得まで無料。見積もり後に断ることもでき、施工店への断りの連絡を代わりに行うサービスもある
- 運営は株式会社ドアーズ。東証上場のポート株式会社の100%子会社
- 北海道・沖縄にお住まいの方と、築7年未満の住宅は申し込みの対象外
出典:株式会社ドアーズ「外壁塗装の窓口(公式サイト)」(確認日 2026-09-29)
5位外装工事ヒカーク
- 運営会社
- 株式会社shalcfield
- 対象
- 一戸建て・マンション・店舗などの外装工事(塗装、屋根の葺き替え・カバー工事、防水工事、雨漏り修理)の見積もり
- 対応エリア
- 全国
- 専属アドバイザーが建物の状態を聞き取り、業者の担当者を複数名紹介。相談・紹介・現地調査・見積もりは無料
- 加盟業者からは固定の掲載料を受け取る仕組みで、契約時の中間マージンは受け取っていないと公式サイトで説明
- 業者への断りの連絡をアドバイザーが代わりに行う「お断り代行制度」、クレームの多い業者を外す「加盟店除名制度」がある
- 加盟業者の無理な営業は禁止。申し込み後、業者から直接連絡が入ることはないと公式サイトで説明
出典:株式会社shalcfield「【外装工事ヒカーク】外装工事の優良業者紹介サービス(公式サイト)」(確認日 2026-09-29)


